【尖閣ビデオ流出】海保職員「流出に関与した」自ら名乗り出る

沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像がインターネット上に流出した事件で、海上保安庁第5管区海上保安本部(神戸市)の職員が「映像流出に関与した」と自ら名乗り出たことが10日、わかった。同庁は同日、この職員から聴取を進め、事実確認を行っている。

【動画で見る】流出した中国漁船の体当たり動画

 事件をめぐっては、検察と警視庁が、国家公務員法守秘義務)違反容疑などで捜査に乗り出している。海保が、検察などと連絡をとっているとみられる。

 映像は4日、インターネットの動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で公開された。海保の巡視船「よなくに」「みずき」に中国漁船が衝突した場面や漁船が違法操業している場面を撮影したもので、約2分半〜11分半の計6本、合計で約44分間あった。映像の投稿者名は「sengoku38」となっており、4日にユーチューブのアカウントを登録。5日に自ら映像を削除したが、コピーされた映像がネット上に多数拡散している。

 海上保安庁や検察当局のこれまでの調査などで、映像の長さや挿入された字幕などから、映像は石垣海保が証拠資料として数時間あるとされるオリジナル映像を編集、那覇地検に提出した十数種類の映像のうちの一つと判明。海保は現地に職員を派遣。関係者への聞き取り調査のほか、石垣海保のパソコンの履歴を解析するなどして、流出元の特定を急いでいた。